
奇跡。それは遺伝学の概念がなかった江戸時代に、
品種改良を繰り返して、現在の比婆牛のルーツを誕生させたこと。
そして幻とは、年間わずか200頭前後の生産量という稀少性からです。
たとえば北海道では年間52万頭もの肉用牛が飼養されているそう。
比婆牛はその稀少性ゆえに、広く市場に出回ることがありませんでした。
幻の和牛と呼ばれているゆえんです。

比婆牛。それは奇跡が生んだ幻の和牛です。
奇跡。それは遺伝学の概念がなかった江戸時代に、
品種改良を繰り返して、現在の比婆牛のルーツを誕生させたこと。
そして幻とは、年間わずか200頭前後の生産量という稀少性からです。
たとえば北海道では年間52万頭もの肉用牛が飼養されているそう。
比婆牛はその稀少性ゆえに、広く市場に出回ることがありませんでした。
幻の和牛と呼ばれているゆえんです。
和牛といえば、さまざまな地域名を冠したブランドが日本国内に存在します。「和牛」は厳密に定義されていてその品種は、黒毛和牛、褐毛和種、無角和種、日本短角種の4品種のみ。それ以外は和牛と称することができません。しかし、その和牛も、さかのぼれば在来牛をもとに外国の品種の牛と交配して作られた品種。こうして品種改良を繰り返してきました。そうしたなかで優秀な系統を「蔓(つる)」と称し、「蔓牛(つるうし)」によって和牛の系統が連綿と継承されているのが広島県のブランド牛です。広島県は和牛のふるさとでもあるわけです。
広島のブランド牛とは、広島県内で最長飼育された黒毛和種の牛肉で広島県産和牛のこと。現在、「広島牛」「元就」「比婆牛」「神石牛」の4種類があります。このなかでとくに出荷頭数の少ないのが比婆牛。そして、この比婆牛のルーツが「岩倉蔓」です。
日本最古の四大蔓牛「岩倉蔓」の血統「比婆牛」。
岩倉蔓は、1843年に備後比婆郡で誕生。それが現在の比婆牛です。岩倉蔓は、(公社)全国和牛登録協会により、日本最古の四大蔓の一つとして認定されています。比婆(ひば)牛は広島県の北東部に位置する庄原市(旧比婆郡)で生まれたブランド和牛の一つです。日本には、現在の和牛の先祖となる系統があります。とくに中国地方の和牛改良に用いられた系統牛の呼称を明治時代より『蔓牛(つるうし)』と呼び、その優良系統の牛の保全と普及に努めてきました。
比婆牛のルーツをちょっとだけご紹介します。さかのぼること、江戸時代。 当時の繁殖は、雌牛のいる農家へ雄牛を連れていき、自然交配させるというのが一般的でした。畜産家であった岩倉六右衛門(1818~1896)は、遺伝学の概念もなかったこの時代に牛の品種改良を志し、天保14(1843)年に、よい雌によい雄を計画的に交配。
優秀な牛を作ろうと考えました。これが和牛「改良」のはじまりです。岩倉は、いい牛は雄牛の形質を受け継ぐのでないかと考えたのでした。こうして長い年月をかけて作出されたのが比婆牛です。
日本はもちろん、海外でも『和牛』は大人気です。日本国内で流通している牛肉には、「輸入牛」と「国産牛」、「和牛」があります。国産牛と和牛は同様の牛肉のように思ってしまうかもしれませんが、和牛は日本の在来種をもとに生産された食肉専用の牛のこと。品種をさして和牛と呼ぶことになっています。国産牛は、日本で飼育・加工された牛をさします。しかし、外国で飼育した牛を輸入し、日本で飼育されている期間が最も長ければ、海外産の牛であっても『国産牛』として表示することができるのです。品種を問われることもありません。そのため、牛乳が出なくなったホルスタイン種も『国産牛』として流通しています。
1,000年以上の歴史を誇る広島牛。平安時代、牛馬市があった広島県三原市の久井稲生神社(938年創建)に始まります。久井の地名は、牛をつなぐ「杭」からつけられました。庄原市は日本で初めて国立の種牛牧場が開設された地。つまり、和牛発祥の痕跡がうかがえるわけです。1900年、日本で初めて国営の乳牛肉牛の研究施設が広島県に誕生しました。ここで、明治時代から、各種の牛の交雑試験が広島県で行なわれてきたのです。乳牛の品種改良で北海道の酪農に寄与。シンメタール種は、九州の褐毛和種の基礎に、アバディンアンガス種は、山口県の無角和種の始祖に。日本和牛4品種のうち、3品種の発祥に影響しました。
和牛オリンピックで二度優勝した実績からみても、その肉の実力は折り紙付き。2018年「健康的なサラサラ脂」日本一の記録を樹立しました。一価不飽和脂肪酸(MUFA)に含まれるオレイン酸は、血液中の悪玉コレステロール濃度を下げ、善玉コレステロールは減少させないという働きがあるといわれています。また、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、高血圧など生活習慣病の予防に役立ち、他の脂質に比べ酸化しにくいことも特徴。さらに、オレイン酸はオリーブオイルなどに多く含まれている成分。他の脂肪酸より融点が低いため、和牛肉中に多く含まれると、口どけよい舌ざわりになります。比婆牛がステーキやすき焼きなどのほか、冷製料理にも向いているというのもこの口どけのよさが理由。比婆牛なら、多彩な料理をお楽しみいただけます。
この紋は、最古の蔓牛である岩倉蔓を作り上げた岩倉六右衛門を先祖に持つ、庄原市比和町の岩倉家の倉紋で、岩倉牛をイメージしたものです。
歴史、伝統を色濃く受け 継ぐ「比婆牛」の象徴として使用しています。
出典:https://wagyu-ninsho.jp/wagyu_hibagyu.html
以下の基準を満たす和牛肉を、庄原市が「比婆牛」と認証します。